まちキャンでまなぶ
平成27年9月にスタートした、まちづくり市民研究所第3期。「食の資源循環で長岡を元気に!」をテーマに、食品廃棄物などの資源循環・リサイクルを考え、そこから長岡を活性化させる事業案を調査・研究してきました。そして、資源循環や有機農業を軸とした好循環フローを考案。それを実現し、かつ長岡を元気にするために、食育や6次産業化などの視点からさまざまな提案をしています。市民研究員の皆さんの想いや願いのつまった研究成果をぜひご覧ください。
※報告書は、上記からダウンロードいただくか、まちなかキャンパス長岡などに設置してありますので、そちらをご覧ください。
まちづくり市民研究所では、「好循環フロー」と、それを構成し、実現させるための施策を提案します。
これらが実現されれば、廃棄物問題の解決、食についての学びの向上、農作物の安全性の向上、農業を中心とした地域産業や地域コミュニティの活性化など、多面的に長岡が元気になります。
テーマ「食の資源循環で長岡を元気に!」のもと、市民研究所第3期の取組の成果として、持続可能な循環システムである図の「好循環フロー」を提案します。
この「好循環フロー」では、生ごみや食品廃棄物を資源とするコンポスト【提案1】と、それを使用し、化学物質を使用しない有機農法【提案2】、そこから生産される安全な野菜を前提とした6次産業化【提案4】、子どもの頃から正しい知識を身につけてもらうための食育の推進【提案3】、そして提案全体のシステムをサポートするプラットホームとして、地域とコミュニティをつなぐネットワーク【提案5】を提案しています。
これら【提案1】~【提案5】を一つの循環として構築することによって、「長岡を元気!」にすることができると考えます。
まず、資源を循環させるという点から、生ごみの有効利用としてコンポスト化の推進を提案します。
本来は食べることができるのに廃棄されてしまう食品ロスや、家庭から出される生ごみなどをコンポスト化することは、それらの軽減や化学肥料の代替として、環境負荷の少ない持続可能な有機農業に有効です。
また、生ごみをコンポスト化する取組として、各家庭でコンポスト化に取り組むより、家庭のごみを回収してコンポスト化する方法や、農園などでまとめてコンポスト化する方法が効率的です。
生ごみを提供した家庭は、出したごみの量に応じてポイントがたまり、農園で収穫された農作物を購入する際に、ためたポイント分が割引になるなどといったシステムを構築することで、生ごみコンポストが持続可能になると考えます。
化学肥料のない時代の農業は循環していました。しかし、化学肥料を使用するようになり、土つくりをしなくなり、循環は断ち切られました。
農業とは、自然エネルギー産業であり、農作物の成長に好適な環境を、持続可能な方法で作り出すことです。土壌に有機物を与えて微生物に分解させれば、保水性と排水性が両立できる土壌となって地力が高まります。光合成により生産される炭水化物の量と、根から吸収されるチッソとのバランスが保たれると、自然と、病害虫に強い農作物を栽培することができます。
近年、食に関心のある消費者は、値段が高くても安心・信頼できるオーガニック野菜を購入しています。
消費者に正しい知識を身につけてもらい、健康に良い野菜を求める消費者を多く育てていくことも重要な課題です。
子どもの成長に欠かせない食の安全こそが未来への課題です。子どもたちとオーガニックな食物との関わりの重要性を喚起する必要があります。
20年後、50年後の人たちが安全に安心して暮らすために、食の安全を願う、長岡独自の食と命に関わる「食育市民運動」を推進します。
また、食育は、子どもから大人までの「生涯学習」だと考えます。多くの人に関心を持ってもらい、無意識に触れ、参加する状況をつくる必要があります。
食育は子どもにするもの・させるものというイメージからの脱却が必要です。長岡独自の生涯学習としての食育を目指し、現存する歴史的、地理的、精神的、物質的な長岡の資源を活かすためにも、「おいしい学びの条例」の制定によって、法的根拠のある活動であることが望ましいと考えます。
提案1、2から生産される野菜が、私たちの提案する長岡の安全ブランド野菜です。付加価値は「圧倒的な安全」です。その野菜を使用し、6次産業化としての商品開発・試作を行いました。
食や健康に関心が高くなる子育て世代をターゲットに、離乳食などに幅広く利用できるよう、微粒子状の野菜パウダーに加工し、栄養価を保ったまま長期保存できる形での利用を提案し、お菓子として試作しました。
現在、消費者の農作物に対するニーズが高度化・多様化しています。安全な農作物を安定供給するだけの時代ではありません。消費者からは、生産農家や環境への配慮などが評価されています。
そこで、消費者と農家の「つながり」を生み出すツールとして、フェイスブックの活用を提案します。「いいね」ボタンクリックによる投稿の自動表示やさまざまなアプリケーションを追加することで、オンラインショップを設置して、商品管理や受注管理、発送管理、代金決済などが可能になります。
その結果、消費者との接点が増え、新たな物流ルートが確立されます。商品の鮮度と直接交流できる利便性を考慮すると、自治体レベルのエリアが望ましいです。
フェイスブックでのつながりを把握して、有機的に結び付けるようなローカルプラットフォームが求められています。
テーマ | 「食の資源循環で長岡を元気に!」 |
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研究期間 | 平成27年9月~平成28年9月 |
所長 | 羽賀友信 まちなかキャンパス長岡 学長 |
ディレクター | 澤姫野修司 長岡技術科学大学 准教授 西俣先子 長岡大学 准教授 |
オブザーバー | 長岡市 環境政策課、農水産政策課 |
アシスタント | 1名 |
事務局 | まちなかキャンパス長岡運営協議会事務局 |
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